酔拳は意外に本当かもしれない

今日、駅で前を歩いているお姉さんの動きがちょっと妙で、不意にほんの一瞬動きが止まったかと思うと、次の瞬間には半歩右・左に身体を移していたり。その後を歩くのも危なげなので追い抜こうにも、なかなか追い抜かせてくれない。あからさまに酔っている感じはしなかったけど、かすかに酔っているのだと気づいた。
ふらふらと言うのではなくて、普通に歩いていながら瞬間的に力が脱けて、ふっと脚の踏み出しがぶれるような感じ。

何が危ないかといえば、動きが全く読めない。それで気づたのだけど、動きに予備動作が全くないせいかもしれない。
スポーツや格闘技では、予備動作、モーションが小さいほうが好いと言われる。身体の動きはもちろん、目の動きもそうだし、あるいは心中で「狙っている」というのが伝わってしまってもダメ。相手に動きの先を読まれないほうが好い。

ふだん、日常で歩いていたりする時でも、意外と周囲の人間の予備動作を読んでいるものなんだなあ、と、その女性の動きを見て改めて気づいた。酔いのせいで、当人も意識して自分の動きを制御してないわけで、なるほど、無我の動きとなってしまうと相手も先を予期することができなくなってしまうのか。
そう考えると「酔拳」なんてのも、実は合理的なのかもしれない。