青少年の性知識は アダルトビデオ、コミックによるもの


台湾での年少女性の出産比率は、ここ数年連続してアジア先進国(四小龍:香港、韓国、台湾、シンガポール)の中でもトップ。専門家による性教育協会は昨日の検討会で、学校教育の問題点や、アダルトサイトや漫画などによって青少年が誤った性知識を持ってしまっていること問題があると指摘しました。

性教育協会の高松景氏によれば、2000〜2005年まで、台湾の15〜19歳の年少女性の発育指数は、日本の3倍、韓国の5倍に相当。
また年少女性の堕胎率も高く、大半の少女は、未婚出産を回避する方法として堕胎を選んでいる。少なく見積もっても、少女の堕胎件数は年間3万件を超えているそうです。

台北市の高校での調査では、約半数の親が、子どもと性について話し合ったことはないと回答。また大半の学校で性教育を担当しているのが、保健科ではなく、体育科の教員が代行している点にも、欠陥が指摘されています。
家庭でも学校でも、適切な性教育をあたえられない青少年は、自分で性に関する知識を学ぶしかありません。しかし男性の場合、多くはアダルトビデオ(A片)、女性はアダルトコミック(A漫)から知識を得ることになります。かつては人目を忍んで、アダルトビデオを見たりしていましたが、現在では携帯端末があれば、いつどこでもアダルトサイトに接続が可能です。

アダルトビデオやアダルトコミックからは、間違った性知識を得る危険性があると、高松景氏は考えています。たとえば強引に性交をせまって、相手がはじめは嫌がっていたとしても、やってしまえば相手も最後には満足するのだ、と思い違いをする男性がいます。
それでも高松景氏は、アダルトコンテンツを見られないように携帯端末にコントロールをかける方法を、保護者に勧めていません。まずは子どもたちに、そういったアダルトビデオなどに影響されないような批判能力を身に付けさせること、性欲を自主制御できるように教育することこそが問題解決の方法だからです。
(07.5.6 自由時報