曼谷の佳韻に電話をする。
話をするごとに、退くに退けない深みへ少しずつ進んでると思う。なら電話なんかしなきゃいいのだけど、佳韻に寄り掛かることで少し呼吸が楽になっている。

今さらのように佳韻は自分とは人種が違うのだと気づく。民族の違いはあまり気にならない。ほんの少しの肌の色の違いだけど、もしかしたら意外にそれは大きくて、自分はコズモポリタンなんかじゃないんだろうな。